「ザ・テラー」〜番外編「北西航路」〜
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「ザ・テラー」は北西航路に挑んだ
フランクリン探検隊の大惨事を描いたドラマなんですが…
そもそもイギリスが心血を注いだ「北西航路」とは何かという事ですよ!
当時、船舶でヨーロッパからアジア、とりわけ中国へと向かう
一番近いルートは喜望峰周りの航路しかありませんでした。
スエズ運河の開通が1869年ですからね。
どえりゃー遠いの〜と思ったヨーロッパ人は
そうだ!アメリカ大陸の北部を回って行けば中国にもっとはやく着くんじゃね!
とばかりに「北西航路」の開拓にのめり込んでいきました。
イギリスから見た北西の航路がまさに「北西航路」というわけです。
1956年にジョン・レイが北西航路を発見し
そしてあのアムンセンが実際に船で通り抜けることに成功したのは
さらに半世紀が過ぎた1906年のことでした。
それから1世紀がすぎ 現在はさぞかし船舶が行き来しているんだろうねー
と思いましたが、今尚「北西航路」はほとんど利用されていません。
地球温暖化で随分と海が開けて、各国の関心も高まっていますが
やっぱり北極海からの流氷で航海が危険すぎるということのようです。
こうなってくるとフランクリン隊の探検は全くの無駄だったの?…
と考えちゃいますね。
いやそんなことない!地図のピースを埋めたなどと言うつもりはありません。
ただ無残で愚かしくも、英雄的だった探検隊に心惹かれるのも確かなのです。