渋すぎるエルフの王がキャラ大賞〜小説ウィッチャー5「湖の貴婦人」感想
噛めば噛むほど楽しめるシリーズ最終巻
ウィッチャー小説シリーズ最終作「湖の貴婦人」です。作者のアンドレイ・サプコフスキは前巻よりもさらに多視点の語りで物語を紡ぎ、一筋縄ではいかない複雑な構成となっています。なので深く読めば読むほど新たな発見がありそうな最終巻となっています。
タイトルはアーサー王伝説に登場する「湖の貴婦人」から採られたものでしょう。今回シリは時空を超えて旅しますが、それは創作の時空をも超えてのものとなります。
ということで多少のネタバレを含む感想です!
皇帝と手紙の謎は?
ゲラルトさんは、相変わらずの腑抜けキャラを貫き通しています。何せ恋人のイェネファーが監禁と拷問を受けている時に、他の女魔法使いとの逢引を楽しんでいますから(笑)
ゲラルトさんと皇帝の関係にもびっくりです。かなりの因縁の相手だったんですねー。
さて、この事はなぜ皇帝がヴィルゲフォルツの根城の情報を知ることができたのか?という謎にも繋がってきます。ゲラルトがダンディリオンにディクストラへの手紙を渡すシーンがあります。そこにはおそらくヴィルゲフォルツの根城について書かれていたはずです。ではなぜディクストラを通じて皇帝に伝えたのか?ディクストラが、フィリパ一派に情報を伝える可能性をどう考えていたのか?色々考察できそうですね。
ヴィルゲフォルツとボンハートを倒すのは…
ヴィルゲフォルツはラスボスに相応しい強さを今回も見せつけてくれます。強力魔法をガンガンぶっ放し、杖を振りかざしてゲラルトさんを圧倒する魔法使いはヴィルゲフォルツぐらいでしょう。
そして個人的に好きなキャラ、ボンハートです。
これを見ろ!シャツびりびりっ!ウィッチャーのメダル3つだすげーだろ!
俺様キャラは今回も健在です。
ディクストラは今回、皇帝と繋がり、フィリパ一派と両天秤をかけていたことがわかりました。ただでは転ばないのがこの人。その後ノヴィグラドの風呂屋になるわけですね。
ベストキャラ大賞は?
報われて欲しいのはトリス・メリゴールド嬢かなー。2番目の女の有能さですよ。またもや、ゲラルトさんのピンチを超強力魔法で救います。
フリンギラ・ヴィゴ嬢のメダルといい、ゲラルトさんは女魔法使いに助けられっぱなしです。
最後に今回のベストキャラ大賞はエルフの王、オーベロンさんでしょう!
オーベロンさん
「服を脱げ」…たたず。
「服を脱げ」…たたず。
「服を脱げ」…たたず。(何がたたかなったかは聞かないでください)
栄養ドリンクごくごく。
うぉー元気になりすぎた!!(がくっ)
この流れ笑えます。
あと、レジスはあれから復活したのかーとか、カヒルのあれとか、野戦病院の描写とか、寺院を飛び出したジャレの運命とか…見所はたくさんです。
今回、ゲラルトにしろ、皇帝にしろ、ヴィルゲフォルツにしろ、フィリパにしろ探していたシリを捕まえます。が!結構あっさり手放します(笑)もしかしたらこの辺もシリの魔力なのかもしれません。
とりあえず、スッキリとした終わり方となったウィッチャー小説ですがモヤモヤとすることが一つ。
↓この表紙の女性は誰?(笑)
すでに表紙となったシリ、イェネファー、トリスではないとしたら、ミルヴァ?アングレーム?違うような…フードを被っていることから魔術師だとしても、フィリパ、フリンギラ・ヴィゴは髪色が違います。では、アンナ・ヘリオッタ?ジュリア・アバテマルコ?違うよなー
まさかのニムエ?アーサー王伝説では確かにニムエは湖の貴婦人の別名ですが、
いやはや謎です…